クラシック音楽を爆音で聴く「爆クラ」。今回のゲストは先ほど「マンガと音楽の甘い関係」を上梓した高野舞衣さん。有名ドコロは『のだめカンタービレ』ですが、マンガ、特に少女マンガには実に良くクラシック音楽が出てきます。
その多くの読者はコマ割の絵、ストーリーとセリフとともにその音楽を想像し、また、実際にCDを買ったりして、深みにはまっていくのですが、今回はまさにその集大成。マンガのキャラとクラシック音楽がどこまで添い遂げるのか?! の刺激的な一夜です。
オスカルのヴァイオリン・ソナタを皮切りに、千秋(「のだめ」)、淳兄(「坂道のアポロン」)、ディミトリ(「黒薔薇アリス」)など、音楽を奏でるキャラクターたちのコマを、実際の音とともに検証。はたしてマンガに描きこまれた音のない「音楽」は、キャラクターたちにどんな影響をおよぼしていたのか!?
また、音楽の力自体がモチーフとなった作品を世に出している手塚治虫、萩尾望都、大島弓子などの作品から、この場面に流れてているのはこの曲のはず! という思い込み見立てまで。クラシック音楽とマンガに精通した高野舞衣さんとならできる、今までになかったクラシックの味わい方。爆クラならではの、カルチャークロッシングなテーマは、必見&必聴です。
↑サン=サーンス「死の舞踏」
↑エリック・サティー「ジュトゥヴ」
教養としてのクラシックではなく、ドミューンに親しんだクラブ耳を持つ人にこそ体験し てほしい、この爆音音浴。生演奏がデフォルトだけれど、録音とオーディオという現代の テクノが入ってこその、音と脳と身体とのセッションを堪能して下さい。
●プログラム(予定)
ワーグナー:ワルキューレの奇行
ドビュッシー:ペレアスとメリザンド
シューベルト:菩提樹
バッハ:平均律
フォーレ:「レクイエム」~ピエ・イエス
クープラン:神秘の障壁
ヴィヴァルディ:協奏曲
モーツァルト:協奏交響曲
ピアノ協奏曲第1番
サン=サーンス:死の舞踏
サティ:ジュ・トゥ・ヴ
ゲスト
高野舞衣(たかのまい、ライター)
上智大学文学部史学科卒。『ぶらあぼ』編集部を経てフリー。得意分野は音楽とマンガと乙女文化。『CDジャーナル』『サイゾー』『宝塚イズム』等に執筆するほか、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭などカルチャーイベントに関わる。著作に『乙女のクラシック』(新人物往来社)、『マンガと音楽の甘い関係』(太田出版)。
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