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爆クラ<第78夜>「爆クラアースダイバー報告会 クラシック音楽にできること」

 クラシック音楽の新しい聴き方を提案する、ポストクラブ時代のトーク&リスニングイベント爆クラ。この爆クラがクラシック音楽を体感する「場の表現」として新にスタートさせたのが、その名も「爆クラアースダイバー」という企てです。


 すでに昨年末12月1日、岡山県倉敷市の瀬戸内海に面した児島、という場所で、第1回目を無事に終えることが出来ました。今回は惜しくも当日岡山まで行けなかった、という方々に、当時の模様をガッツリ伝える報告会(という名の打ち上げなのか……)と、コレからの爆クラアースダイバーについてのティーチインを行います。



 企てのパートナーである、音響マエストロ、アコースティックリバイヴの石黒謙さんが、70人キャパの遊覧船にどのように音を響かせたのか、そして、今後の展開は、というあたりは、オーディオ、音響に興味のある方には必聴の会かも。


 そう、実はこういうことが私はやってみたかったのだ! というこの試み。もともと、クラブカルチャー出自の私としては、2000年前後に日本でホンの一瞬体験できた「レイヴ」という環境×音楽×身体のシーン芸術(あえてそう言わしていただきます)がもちろん下敷きにあります。つまり、クラシック音楽をコンサート会場から脱出させ、自然や建築物などの「環境」の仲で、温度や匂い、風やうつろう自然光の中で聴く=体感するというもの。


 何を行ったかというと、70人キャパの遊覧船をチャーターして、サウンドシステムを搭載し、第1便がサンセット時の瀬戸内海に、第2便が水島臨海工業地帯の工場夜景とともに漆黒の闇の中を船出したわけですが、結果、たぶん一度もクラシック音楽に向き合って聴いたことがない荒くれ漁師町の殿方のひとりが、ブルックナーの交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」を船の中で聴いて「今まで、忘れていた子ども時分の記憶と重ね合わせて聴いていた」と、まるでプルーストの『失われた時を求めて』状態になっていたという話を聞いて、ちょっと感動しましたよ。


 当日は、何とドローン2台を飛ばして、記録&プロモーション映像を制作。カンヌ広告祭常勝の映像制作で知られる高橋聡プロデューサーのもと、ディレクターに現在PV界を騒がせている若き才能のスパイキー・ジョーさんが、その辣腕を振るってくれており、彼らも今回ゲストとして参戦。その映像をみなさまとともに観て、そして語っていきます。


 クルージングのアフターパーティーに、DJを担当していただいた、クラシック部門の指揮者の坂入健司郎さん、昭和歌謡部門の吉岡洋美さんの両名とともに、ゲストととして、遊覧船のお膝元である、鷲羽山下電ホテルの社長、永山久徳さんも岡山から駆けつけてくれます。


 ロケハンに行った時に一目惚れしたこのホテル、ピンク色の外観とモダンデザインが70年代のマイアミのリゾートホテルですかい?! というほどの素晴らしさですが、社長の永山さんはそのほかにもクラウドファウンディングを含めた様々な仕掛けをしています。そういった観光最前線と、クラシック音楽のコンテンツ性などの話も興味深いところ。というわけで、音楽に何ができるか?! というソーシャル・アートにも通じる話などにもふれていく所存。


 音楽の聴き方にまたひとつ深みが加わる、刺激的な一夜になるはず。

 ぜひ、お運びあれ。



ゲスト

石黒謙(いしぐろけん、ACOUSTIC REVIVE代表)

日本が誇るオーディオケーブル・アクセサリーメーカー、ACOUSTIC REVIVE代表。その製品は世界各国で高い評価を受けており、フランスの音楽誌diapasonにおいて三度の金賞に輝く。アジア各国で「音神」と呼ばれ、独自の音質向上術により世界最大のオーディオイベントであるドイツミュンヘンハイエンドショーにおいて関与したブースを450社中最も音の良いブースに与えられるベストサウンドアワードに3年連続で導いた。音響調整技術はオーディオに留まらず、大手レコードメーカーのスタジオやライヴハウスの音響調整など多岐に渡る。


永山久徳(ながやまひさのり、株式会社下電ホテル代表取締役社長)

筑波大学大学院(環境科学研究科)修了後、東急不動産株式会社で修行。株式会社下電ホテル(鷲羽山下電ホテル)入社後、株式会社ホテルリゾート下電(ゆのごう美春閣)、株式会社石切ゆめ倶楽部(ホテルセイリュウ)設立。厚生労働省検討会委員、衆議院国土交通委員会参考人などを経験し、メディアへの登場経験も多く持っている。活動として、トラベルニュースへのコラム「永山節考」連載、著書として「ながやま節考」、「ワカダンナフル」、CD「笑顔」(キングレコード)リリース、FMくらしき「つぶやきの泉」パーソナリティなども行っている。Twitter上では700万人ビューの投稿などもあるインフルエンサーでもある。


高橋聡(たかはしさとし、フィルムプロデューサー《NION》)

太陽企画、Creative lab PARTYでプロデューサーとして活躍後、2013年に独立。 2016年、共鳴するフィルムメーカーらと国際的なプロダクションユニットNIONを設立する。ボーダーレスでクロスカルチュラルな現代のフィルムメーカーのスピリットに共感し、 真に刺激的で、真に哲学的で、真に新しく普遍的なフィルム制作を志す。Cannes Lions、One Show、CLIO Awards、D&AD他、国内外の150以上の広告賞・デザイン賞を受賞。


スパイキー・ジョン(映像ディレクター、ヴィオグラファー(GROUNDRIDDIM))

ラップが社会的認知を得てヒップホップが世間に溢れかえった2016年。 ストリートの空気を瞬時に切り 取る独自の着眼点と機材についての豊富な知識を武器に、シーンに颯爽と登場した若干22歳の鬼才 映像監督。 初作品から2年間で40~50本の作品をリリースし続けるハイペースな作品量とそのクオリティは、第一 線で活躍する様々なアーティストから絶大な支持を受ける。


坂入健司郎(さかいりけんしろう、指揮者)

1988年5月12日生まれ、神奈川県川崎市出身。これまで指揮法を井上道義氏、ウラディーミル・フェドセーエフ氏などに師事。13歳ではじめて指揮台に立ち、2008年より東京ユヴェントス・フィルハーモニーの音楽監督を務め、2016年には新鋭のプロフェッショナルオーケストラ、川崎室内管弦楽団の音楽監督に就任。2017年、湯山玲子氏主宰「サロン・ド・爆クラ!」にて、シェーンベルク「月に憑かれたピエロ」の連続上演を企画・指揮、2018年には東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に初客演しオルフ「カルミナ・ブラーナ」を指揮、成功を収めた。

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