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爆クラ<第40夜>「クラシックはSMだった?!」ゲスト:緑川ミラノ


 クラシック音楽の官能性はみなさんご存知の通りだと思いますが、今回はそのエロスの扉をSM、サディズム&マゾヒズム方面で探っていきます。ゲストは、美と退廃のセレクトショップを長年にわたり営み、フェティシズム系スタイリングの第一人者かつ元女王様の経験を持つ、緑川ミラノさん。


 レディー・ガガに衣装を提供するデザイナーでもあり、またまた元女王様の経験を持っていらっしゃる、緑川さんとともに探る、クラシックとSMののっぴきならない関係。


 考えてみれば、クラシック音楽には、もの凄くSM要素が入ってきているのです。まず思い起こされるのが、ある種拷問のようなピアノ練習。あの単調な反復の繰り返しの運指練習に耐えるには、マゾのよろこびを我が身にビルトインしなければ、とてもじゃないけどやっていられません。


 そして、オーケストラを意のままに操る指揮者は、どう考えてもサドの翻弄テクをオーケストラの面々に施しているに違いませんし(ホントなのか?!)、楽曲で言ったら、ブルックナーの交響曲は耐えに耐えた後のご褒美の快感、マーラーのバラバラに散りばめられた断面の美学はフェティッシュ感に満ち満ちているではないですか。


 サディズムの生みの親、マルキ・ド・サドは、リベラル思想に裏打ちされた背徳的小説を書き、フランス革命のきっかけをつくったひとりと言われますが、楽聖ベートーヴェンもまた、革命の啓蒙主義に心を揺り動かされ、交響曲第三番『英雄』を世に出しました。そう、音楽というものは、必ずしも人間のタメになるものとは限らない。聴きようによっては破滅一直線、映画『ヘルレイザー』で究極の快楽に自らを捧げた魔道士たちの心境は、クラシックファンに通じるものがあるような気がします。


 退廃美にあふれたミラノさんのお店では、いつも静かにクラシック音楽が流れており、彼女のDJではオペラのアリアが定番です。SMだけではなく、彼女がこよなく愛す、フェティッシュ感覚や背徳感、退廃美などといったセンスがと同じものが、クラシック音楽の中に以下に眠っていたかを発見する一夜。春の生暖かい夜風に相応しい、怪しい一夜になりそう!!


 教養としてのクラシックではなく、ドミューンに親しんだクラブ耳を持つ人にこそ体験してほしい、この爆音音浴。生演奏がデフォルトだけれど、録音とオーディオという現代のテクノが入ってこその、音と脳と身体とのセッションを堪能して下さい。



ゲスト

緑川ミラノ

コルセットを中心とした美と退廃のセレクト・ショップ「BabyDollTokyo」オーナー、デザイナー。リアル女王様のバイトをしていたこともありボンデージやフェティシズム溢れるデザインが人気。過去にはLADY GAGAの衣装デザイン、PEACHJOHN、BEAMS、吉田カバンともコラボレーションし緑川らしいアイテムを産んでいる。最近ではデザインだけではなくミージックセレクター、空間プロデュースなど様々な「美と退廃のライフスタイル」と称し活躍中!

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