クラシックにはフーガという技法があります。何かと言えばこれ、ひとつのメロディーが、違う音の高さに順々に、そして時には装飾されて順々に現れる技法。バロック音楽に多用された音楽の形式ですが、不思議とクラブDJのミックスの手法にも似ていたり、抽象絵画のバターンを思い起こさせたり、サイケデリックな時間を感じさせられることもある、古くて超新しい音楽スタイルなのです。
ゲストはジェーン・バーキンワールドツアーの音楽監督/ピアニストを勤め、NHK大河ドラマ『八重の桜』の音楽をはじめ、映画音楽や菊地成孔ら様々なジャンルの作、編曲を手がける中島ノブユキさん。クラブミュージック関係者及び音楽ファンは知っておいた方がいい、要チェックレクチャー。音大級の知見をこの際、バッチリ手に入れましょう。
すんごくわかりやすい参考資料↓
https://youtu.be/wMDx7yvb_xE
バッハ フーガ BWV 578
バッハの平均律集に代表されるフーガという形式と構造の魅力。構築的と考えられがちなフーガの構造がいかに自由な形を持っているのか。そしてその建築的な音楽からかくも豊かな感情が表出するのか。(フーガの構造は必ずそうですが)最初に提示される単旋律がいかにして響きの装いを変えながら次々と現れてくるのか、また旋律がどのように楽曲の中に編み込まれているのかを楽譜や図形なども用いて解説。
爆音で聴ければ編まれた旋律も追いやすい! 楽曲例としてはバッハ、ベートーベン、ショスタコービッチ、カプースチン、中島ノブユキさんの自作曲、などなど。
教養としてのクラシックではなく、クラブカルチャーを経た耳を持つ人にこそ体験してほしい、この爆音音浴。生演奏がデフォルトだけれど、録音とオーディオという現代のテクノが入ってこその、音と脳と身体とのセッションを堪能して下さい。
ゲスト
中島ノブユキ
1969年生まれ。日大藝術学部卒業後、渡仏しパリで作曲を学ぶ。自身のアルバムとして『エテパルマ』『パッサカイユ』『メランコリア』『カンチェラーレ』等を発表。2014年、ピアノソロアルバムとしては二枚目となる『clair-obscur』をリリース。作曲家としては主に、映画「人間失格」、アニメーション「たまゆら」の音楽、NHK-BSプレミアム「旅のチカラ」(2011年~)のテーマ音楽『その一歩を踏み出す』等。2013年 NHK大河ドラマ「八重の桜」の音楽を担当した。 2010年、タップダンサー熊谷 和徳と東京フィルハーモニー交響楽団が東京オペラシティコンサートホールに於いて共演した舞台作品「REVOLUCION」で音楽監修/作曲、オーケストレーションを担当。2011年4月6日に渋谷クラブクアトロで行われた震災復興支援チャリティーコンサート「Together for Japan」でジェーン・バーキンの伴奏ピアニストを務めたことをきっかけに、2011年10月から2013年7月にかけて、ワールドツアー「Jane Birkin sings Serge Gainsbourg “VIA JAPAN”」の音楽監督/ピアニストとして参加。(アメリカ、カナダ、欧州、オーストラリア、韓国、日本など27ヵ国、約80公演) 2012年、"une petite fille"を Jane Birkin+ Nobuyuki Nakajima 名義でkuzunawarld.org(被災地の一日も早い復旧・復興を支援するために坂本龍一と平野友康が発起人となったプロジェクト)より配信。東京・馬喰町のカフェ、フクモリにて自身のピアノ定期演奏会”pianona”を行っている。「24のプレリュードとフーガ」の作曲をライフワークとしている。
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