子供は未来であり、回帰なのです。子供は胎であり、海なのです
〜リルケ
今回のゲストは、坂本龍一さん。芸大作曲科で学んだクラシック畑でありながら、ポップス、映画音楽、YMO、そして、ピアノや電子音楽の音響の豊かな可能性を追究するソロ活動などでつとに有名な彼の、オトナなる前のクラシック遍歴、いわば、坂本家の龍一子ども部屋のプレーヤーで流れていた曲を聴いていきます。
通っていた幼稚園が「全員ピアノを習う」カリキュラムだったこともあって、3歳からピアノを習い始めた坂本さん。14歳の時「自分はドビュッシーの生まれ変わりだ」と半分信じ、サインの練習までしていたというエピソードはウィキにも掲載されている有名エピソードです。
確かに、大いに人の心をふるわせてくれる坂本メロディー&和声にはドビュッシーのDNAが満載ですが、坂本さんの音楽世界はそこに留まらず、構造と管弦楽様式を駆使する交響曲作家ならではのセンス、そして、調性音楽を否定した現代音楽のそれもあり、その創作の泉はクラシック音楽、という豊かな帯水層があっちたからこそ、ほとばしり続けているのでしょう。
ならば、今回の爆クラは、その教授の心の奥底に横たわっている地層探検。幼い頃から多感な10代全般まで、坂本さんはいったいどんな曲を、どんな風に感じながら聴いていたのか? 「schola坂本龍一音楽の学校」でも行われていない、坂本さんの極私的な音楽体験を音と一緒にタイムトラベルしていきます。
教養としてのクラシックではなく、クラブカルチャーを経た耳を持つ人にこそ体験してほしい、この爆音音浴。生演奏がデフォルトだけれど、録音とオーディオという現代のテクノが入ってこその、音と脳と身体とのセッションを堪能して下さい。
↓参考資料
●予定の曲目たち ・Mozart-,Piano Sonata in A major ('Alla Turca') K. 331- 3rd mov. Alla Turca, Allegretto ・Brahms ,Intermezzo in B flat minor , Opus 117 ・Chopin, Berceuse op. 57 in D flat ma ・Debussy, Nocturnes. I. Nuages. あとは、当日のお楽しみ。 ゲスト
坂本龍一(さかもとりゅういち)
音楽家。1952年東京都生まれ。78年『千のナイフ』でソロ・デビュー、同年YMO結成に参加。YMO散開後、88年映画「ラスト・エンペラー」でアカデミー賞作曲賞を、その他を受賞。常に革新的なサウ ンドを追求する姿勢は世界的評価を得ている。2006年には新たな音楽コミュニティー「commmons」をエイベックスとともに設立。また、2007年一般社団法人「more trees」を設立し森林保全と植林活動を行なうなど90年代後半より環境問題などへ積極的に関わる。東日本大震災後、さまざまな被災者支援プロジェクトに関わるとともに、脱原発を訴える活動をおこなっている。 主な作品に『B-2 UNIT』『音楽図鑑』『BEAUTY』『LIFE』『out of noise』『THREE』、著書に『音楽は自由にする』、共著に『縄文生地巡礼』『村上龍と坂本龍一 21世紀のEV.Cafe』など。2013年1月から放送がはじまったNHK大河ドラマ「八重の桜」のテーマ曲を担当している。90年より米国、ニューヨーク州在住。
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