
クラシック音楽をクラブの爆音で聴く「爆クラ」。2013年の最初のゲストは、ゲームクリエイターの飯野賢治さん。
はじめとして、音だけでプレイする『リアルサウンド~風のリグレット』など、世界のゲーム業界を激震させてきた飯野さんは、実は、少年時代にブラバンで金管楽器をてにしたときからの大のクラシックファン。ゲームに映画や音楽、そして哲学的概念も取り入れて独特の表現を作ってきた彼とともに体験する今回の爆クラは、クラシック音楽に込められた「物語性」を追究していきます。
クラシック音楽には、定番の構成手法があります。たとえば、ソナタ形式。最初に序奏があって、その後に最初のテーマメロが出てきて、展開して、もう一回テーマメロが再現されて、エンディングを迎えるといったような構成は、小説や物語の世界でよく言われるところの、起承転結にかたちが似てもいます。
「人は何に感動するのか?!」という問いに関しては、いろんな分析がありますが、神話として残されているものの共通点などを考えると、「人が見たり聞いたりするときに必ず納得する」展開というものが確実にあるのだろうと思います。ゲームクリエイターとして、その奥義を扱った飯野さんによる、「物語性から見たクラシック」というお題。2013年の初頭から、これ一冊、本になりそうな高密度の一夜になりそうな予感ですよ!
教養としてのクラシックではなく、ドミューンに親しんだクラブ耳を持つ人にこそ体験し てほしい、この爆音音浴。生演奏がデフォルトだけれど、録音とオーディオという現代の テクノが入ってこその、音と脳と身体とのセッションを堪能して下さい。
●プログラム(予定)
ベートーヴェン、第九
チャイコフスキー、4番
レスピーギ、ローマの祭り
ベルリオーズ、幻想交響曲
レスピーギ、ローマの松
ゲスト
飯野賢治(いいのけんじ、ゲームクリエイター、ミュージシャン)
1970年生まれ。小学校5、6年の時に作ったゲームがコンテストで入賞するなど、早くからゲームクリエイターとしての才能を発揮。95年に発表した「Dの食卓」が全世界で100万本のセールスを記録し、「マルチメディアグランプリ95通産大臣賞」を受賞。97年には画面がなく音だけでプレイするゲーム「リアルサウンド 風のリグレット」を発表して話題となる。2009年には、Wii用アクションゲーム「きみとぼくと立体。」の企画とディレクションを手がけている。福島第一原発事故後に、ブログで発表したテキストが話題となり出版されるに至った「息子へ。」(幻冬舎)など発言者としても注目を集めている。
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