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爆クラ<第13夜>「 ルネッサーンス! でアゲアゲ」ゲスト:大森克己

 突然ですが、巡礼に行きたくありませんか?!


 と、思わずつぶやきつつ、今回は、近年、音響派からも注目され人気の、15世紀、ルネッサンス期の音楽を特集します。これらの音楽の魅力を一言で言うならば、「人間、生きるだけで儲けもん!」の人間賛歌。ゲストは、写真家の大森克己さん。ビートルズにも通じる、メロと響きの最大級の美しさに注目です。


 さて、ヨーロッバの中世、音楽は人間が神の世界を知るためのもので決して音を楽しむものではありませんでした。なぜって、それは「世界を調律する秩序」であり、娯楽とはかけ離れたものだったからです。

 しかし、ルネッサンス期、教会の力が弱まり、イタリアで商人たちが台頭し、彼らがパワーを持ってくると、その教会音楽も変化します。俗謡なども取り入れられて、現実に人生を生きている人々たちに作用する、今のポップスに近いものとなってくるのです。(これらの音楽は、英仏の百年戦争で、大陸に辺境イギリスの文化が入ってきたことも大きく関係しているというので、またしても、ン? ビートルズが頭をよぎります)

 今回のゲストは、 写真界の奇才である大森克己さん。フランスのロックバンド、マノネグラの南米ツアーに同行撮影した写真で鮮烈なデビューを飾った彼が、音楽好きということは知っていましたが、まさかルネサンス、バロック音楽にこんなにもハマっていたとは!  

参考資料↓

聖母マリアの夕べの祈り。歌っている人たちがちょっと怖し。


https://youtu.be/vDASjcC0f0E 鳥の歌。タリラリラリラリ、歌っています。


https://youtu.be/ubGNDcGUcQs ルッカスキ。思わず巡礼に行きたくなりませんか?

https://youtu.be/WwjQHcntgOQ ジョスカンデプレ。このように現在大人気。  なんと、今朝方パリから帰国した私ですが、バリオペラ座・ガルニエの演目がこれまた、ルネッサンス期を代表するラモーの『ヒッポリットとアリシー』で、ガルニエ中、15世紀にタイムスリッブしたがごとく。なので何でこの時期、私の人生にルネッサンスが大量に投入されているのかが全く不思議です。その辺りの体験談も是非、お楽しみに。  教養としてのクラシックではなく、ドミューンに親しんだクラブ耳を持つ人にこそ体験してほしい、この爆音音浴。生演奏がデフォルトだけれど、録音とオーディオという現代のテクノが入ってこその、音と脳と身体とのセッションをどうぞ、お楽しみ下さい。

●プログラム  ・Josquin Desprez(ジョスカン・デプレ) 「 MIssa Pange Ligua ミサ・パンジェ・リングァ」 より 「Sanctus」/モテット「 Absalon fili mi 我が子アブサロムよ」  ・Crement Janequin (クレマン・ジャヌカン)のシャンソン「La Guerre 戦争」「鳥の歌」  ・Claudin de Sermisy(クローダン・ド・セルミジ)のシャンソン  ・Roland de Lassus (Orlando di Lasso オルランド・ラッスス)「Magnum Opus Musicum 音楽作品大全」より「Quid trepidas à 6 おまえはなぜ震えている、楽神よ」「Ut queant laxis この不浄なる唇から、我が罪を取り除きたまえ」/「Prophetiae Sibyllaum シュビラの預言」より「Sibylla Persica ペルシャのシュビラ」シャンソン「Bonjour mon coeur」  ・William Byrd (ウィリアム・バード)「Prevent us, O Lord」「A Voluntary」/Orland Gibbons (オルランド・ギボンズ)「O clap your hands」/John Dowland(ジョン・ダウランド)「Can she excuse my wrongs」「Time stands still」  ・Luzzasco Luzzaschi(ルッツァスコ・ルッツァスキ)「T’amo mia vita」  ・Giulio Caccini(ジュリオ・カッチーニ)「Amarilli mia bella アマリリ麗し」  ・Carlo Gesualdo(カルロ・ジェズアルド)マドリガーレ集第三巻より「Ahi, disperata mia」、第五巻より「O tenebrosso giorno」「T’amo mia vita」「聖土曜日のためのレスポンソリウム」  ・Claudio Monteverdi(クラウディオ・モンテヴェルディ)マドリガーレ集第一巻より「Baci soavi e cari 甘くやさしいくちずけ」第二巻より「Ecco mormorar l’onde ここに波はつぶやき」第四巻より「Io mi son giovinetta わたしは若い乙女」第八巻より「Combattimento di Tancredi e Clorinda タンクレディとクロリンダの戦い」/ 「Vespro Della Beata Vergine/ Marien-vesper (1610) 聖母マリアの夕べの祈り」より「Pulchra es」/「Selva morale e spirituale 倫理的 宗教的な森」より「Beatus vir 主を恐れるものは幸いなり」

ゲスト

大森克己

1963年生まれ。写真家。第9回キャノン写真新世紀でロバート・フランク賞を受賞。主な写真集に『サルサ・ガムテープ―大森克己写真集』(1998年、リトル・モア)、『月刊さとう珠緒』(2001年 新潮社)、『Encounter』(2005年、マッチアンドカンパニー)、『Cherryblossoms チェリーブロッサムズ』(2007年、リトル・モア)、『サナヨラ』(2006年、愛育社)、『incarnation』(2010年、マッチアンドカンパニー)などの作品集を上梓。近作に『すべては初めて起こる』(2011年、 マッチアンドカンパニー)

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