われは思ふ 末世の邪宗、切支丹でうすの魔法
黒船の加比丹(かびたん)を、紅毛の不可思議国を
〜北原白秋『邪宗門』
シチューも良いけど、カレーもね!
フランス料理の最先端も、今や「世界中の珍しい味」が大胆に取り入れられ、進化を遂げています。私たちは文化風習が違う異国のものが大好き。西洋で生まれ育ったクラシック音楽もまた、東洋や中近東、アフリカなどに独自に発達してきた、耳慣れない音階、音色、システムに大いに魅了され、そのモチーフやエッセンスを多いに取り入れてきました。
それは、もちろん純粋な憧憬から、というものもあり、また、「異質」で「謎めいた」ものを入れることで、そのままだと停滞してしまうクラシックに喝を入れる、というようなどこかの経営戦略みたいな発想もあったことでしょう。
NHK番組「schola坂本龍一音楽の学校」のレギュラー出演者であり、クラシック音楽はもとより、 芸術全般にわたる横断的な批評活動で類いまれな冴えを見せる早稲田大学文学学術員教授の小沼純一さんをお迎えして、中国、バリ島、そして、日本と、クラシック音楽における、エキゾチズム、異国趣味の響きを様々に探って行きます。
教養としてのクラシックではなく、ドミューンに親しんだクラブ耳を持つ人にこそ体験してほしい、この爆音音浴。生演奏がデフォルトだけれど、録音とオーディオという現代のテクノが入ってこその、音と脳と身体とのセッションを堪能して下さい。
なお、今回は※和服含む民族衣装の来場者は1ドリンクサービス!!! 海外旅行時にノリで買っちゃったけど、着ていく場の無い各種、民族衣装に光をあてませう。
参考資料↓
ラヴェル「マ・メール・ロア」から「バゴタの女王レドロネット」
武満徹「秋庭歌」
●予定の曲目たち
ドビュッシー《イベリア》→スペイン
ラヴェル《マ・メール・ロア》→中国
ラヴェル《子どもと魔法》→中国・日本
イベール《寄港地》→チュニジア
プーランク《2台ピアノの協奏曲》→バリ島
マクフィー《タブー・タブハン》→バリ島
ハリソン《アメリカン・ガムランのための作品》→バリ島
ホヴァネス《ピアノ協奏曲》→アルメニア?
武満徹《セレモニアル》《秋庭歌》《鳥が庭におりてきた》→近親関係
ゲスト
小沼純一(こぬまじゅんいち)
音楽・文化評論家で早稲田大学文学学術員教授。音楽批評・学術的研究とは相容れない、独自の感性によって幅広い活動の射程を持つ。聴取行為、聴取空間にも配慮した独特な語り口で、音、音楽、音楽家について論じる一方、文学、映画、美術、ダンス等、芸術全般にわたる横断的な批評活動を展開している。雑誌、出版メディアへの露出も多い。著書に『バッハ「ゴルトベルク変奏曲」世界・音楽・メディア』(みすず書房 2006)『ミニマル・ミュージック その展開と思考』(青土社 1997)等。NHK番組「schola坂本龍一音楽の学校」のレギュラー出演者としてもお馴染み。
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