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爆クラ<第65夜>「鍵盤男子 SNS世代のクラシック音楽家・解体新書(ちょいライブ有り)」ゲスト:鍵盤男子

 クラシック音楽の新しい聴き方を提案する、ポストクラブ時代のトーク&リスニングイベント爆クラ。本年最後を飾るのは、クラシック/ピアノ業界に現在、想定外の大波をぶっ立て始めている人気連弾デュオ、鍵盤男子の登場です。彼らによるクラシック選曲そして、ミニライブにも注目。


 さてさて、私との出会いは、今年の初秋、約一カ月に渡って開催されたクラシックサロンコンサート「サロン・ド・爆クラ」。才気ある若い才能たちに多くであった企画でしたが、中でも鍵盤男子には、すでに追っかけファンがたくさんいて、登場するやいなや会場の空気が激変。この一種アイドル的な熱気は、かつて、リストが演奏旅行をした時に、若い女性が詰めかけ、失神騒ぎを起こした現場は、こんな感じだったんだろうなぁ、と時空を超えて深く納得。


 彼らから伝わってきたのは、他の若い演奏家とは全く違う「今、クラシック音楽ベースの自分たちのピアノ表現はどういうやり方ならば、プロとして活動していけるのか?!」というハングリー精神と挑戦する姿勢でした。そして、ファッションや自分たちのイケメンぶりをよく理解している自己プロデュースの覚悟を含め、「実際にお金を払って見にきてもらう」という興行のシビアさをしっかり飲み込んでいる自立感が、もうもう桁違いに強いことにも感銘を受けたのです。


 メンバー二人のプロフィールを見ると、そのバックボーンは両者ともクラシックバリバリ。大井健さんは、幼少からドイツ・イギリスに渡り、彼の地において13歳でバッハのピアノ協奏曲をオーケストラと共演するなどの経歴があり、中村匡宏さんは、自身が作曲したオペラが新国立劇場で演奏されるほどの凄腕ぶり。


 彼らは二人とも1980年代生まれ。高度成長期の豊かさの象徴として一家に一台ピアノが在った時代の子供を親に持つ彼らは、自分たちの世代そして続く次の世代のクラシック音楽をどう思っているのか。何に苛立ち、何に可能性を見出しているのか?


 国際化、そして、打ち込みなどの演奏のAI化とSNS発信の時代が今。日本のクラシック界を支えてきた、学校システムほかの「内需」が目減りしていく時代の若き才能たちの特徴や個性、そしてリアルを当事者である、鍵盤男子とともに語り、そして聞いていく爆クラ版「しゃべり場」。あえて「鍵盤男子」というユニットを目論んだ彼ら世代が今、取り組んでいるクラシック音楽の今、そして今後の展望に光を当てていきます。



ゲスト

鍵盤男子(けんばんだんし)

繊細かつダイナミックな音楽を奏でるピアニスト、大井健(おおいたけし)。 あらゆるジャンルの音楽を自在に表現する作曲家、中村匡宏(なかむらくにひろ)。 新しい時代の到来を告げる“作曲家とピアニスト”のふたりが新感覚ピアノデュオ『鍵盤男子』を結成。 超絶技巧を駆使した高速連弾や観客と一体となるコンサートが人気を呼び、今、クラシックホールを中心に女性層から圧倒的な支持を得ている。 2014年、アルバム「Bon Voyage」をリリースし、初めての全国ツアーを行う。現在は「ピアニズム」という新しいコンセプトを提唱し内外の著名人からの賞賛の声も多く、ストラヴィンスキーの「春の祭典」のパフォーマンスはフランスを代表するピアニスト、フィリップ・ジュジアーノ氏に激賞された。  大井健のソロ活動と中村匡宏の1年間の留学期間を経て、2015年12月に「TOKYOピアニズム宣言」を発表、再始動。Eテレ「ムジカ・ピッコリーノ」、テレビ朝日「関ジャニ∞の仕分け」、日テレ「スッキリ」、日テレプラス「魔法のピアノ」特番、ファッション雑誌「リンネル」、音楽雑誌「月刊ピアノ」「The Pianoman 1,2,3 -鍵盤紳士たちの音-」などメディア・雑誌等にも多数出演している。2017年11月29日、ワーナーミュージックジャパンよりアルバム『The future of piano』でメジャーデビュー。

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