クラシック音楽の新しい聴き方を提案する、ポストクラブ時代のトーク&リスニングイベント爆クラ 。古典派、ロマン派の洞察力ある解釈で知られ、その一方で、オーケストラの音響の未来を、様々な新曲への取り組みにて模索している、イラン・ヴォルコフの登場です。
パーヴォ・ヤルヴィに続き、世界的な円熟指揮者による、クラシックいや音楽の「明日はどっちだ!」篇とも言いましょうか!!!!! そしてそして、今回、ヴォルコフ氏、爆クラだけの特別パフォーマンスも用意していただいているのですよ!
彼の印象は「あっ、やっぱりいたんだ! いや、いて良かった、こういう指揮者」というもの。クラシック音楽はもの凄く情報が多い音楽ジャンルなので、その頂点であるところの指揮者は、全身全霊をかけてその世界に没入する必要があり、実際、今活躍中の指揮者はただ今この時間もベートーヴェンと格闘しているわけです。
つまり「クラシックのそしてオーケストラという音響のその先の可能性って何?」などと考える余裕は全くないのですが、ヴォルコフはまさにそこと格闘している真に現代的な指揮者。しや、指揮者というよりクラシック音楽を動かしていくイノベーター。
その実践のひとつが、彼が2013年から主催している<テクトニックス・グラスゴー>という音楽フェスでHPを見てびっくり! このGW中に行われたそれは、ノルウェーのノイズシーンを代表するラッセ・マルバーグやエイフェックス・ツインズに影響を与えた電子音楽のレジェンド、ベルナール・パルメジャーニと同時に、彼が首席客演指揮者を務めるBBCスコティッシュ交響楽団が出演するという超刺激的なラインナップ(ていうか、来年行くしかない!!!)であり、このSNS時代に「新しい表現」と大衆との出逢いの場になりえるフェスに着手した、先見性に脱帽です。
となると、我が爆クラとしては、何度となくゲストと語っている、「クラブ耳に届くクラシック」というコンセプトの下の選曲を氏にぶつけるほかはない。ちなみにクラブ耳とは、音響技術、表現の最先端であるクラブサウンドシステムの登場以降の音楽というもの。彼は30日の読響の定期演奏会で、バーンスタインの交響曲第二番『不安の時代』を振りますが、彼もまたバーンスタインと同じくユダヤ人。今シーズンのラフォル・ジュルネでさんざん、ユダヤのクレズマー音楽の響きを堪能した身としては、そのあたりにも言及したし。
世界のクラシックはブログレッシブ! そのあたりを感じていただき、ヴォルコフ氏とは大いに、クラシックと音楽の未来に関して語っていきたいと思っています。
ゲスト
イラン・ヴォルコフ(Ilan Volkov)
1976年イスラエル生まれ。19歳でノーザン・シンフォニアのヤング・コンダクター・イン・アソシエーションに就任。1997年にはロンドン・フィルのユース・オーケストラの首席指揮者に就任し、2年後、小澤征爾からボストン響にアシスタント・コンダクターとして招かれる。その後2003年1月、史上最年少でBBCスコティッシュ響の首席指揮者に就任している。2011年9月からはアイスランド響音楽監督に就任。 古典派、ロマン派のレパートリーの解釈は、分析と構成の明瞭さ、活き活きとしたリズム感と洞察力の深さによって絶賛されている。また、現代作曲家の熱心な擁護者でもあり、オーケストラの新曲への取り組みに大きく貢献している。BBCスコティッシュ響との毎シーズン25回以上のコンサートに加え、同団と英国の主要な音楽祭にも出演。さらにクリーヴランド管、ミネソタ管、ミュンヘン・フィル、都響、バーミンガム市響、トゥールーズ・キャピトル国立管、メルボルン響、パリ管、ワシントン・ナショナル響等世界中のオーケストラに頻繁に客演を重ねている。2003年からは、グラスゴーにて、インプロビゼーションと新しい音楽の実践者たちを世界中から招聘する音楽フェス<テクトニックス・グラスゴー>を主催。http://www.tectonicsfestival.com/glasgow/
ノイズや環境音楽、現代音楽などジャンルを超えた、音楽の未来についての実践的提示を行っている。この5月には、東京・横浜で3つの演奏会で読響を指揮する。30日(木)、サントリーホールの定期演奏会では、バーンスタイン作品やショスタコーヴィチ作品を披露する。 http://yomikyo.or.jp/concert/2017/12/578-1.php
[協力]イスラエル大使館、読売日本交響楽団
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