ギリシャ神話によると、音楽と舞踊は、姉妹同士。全能の神ゼウスと記憶の女神ムネーモンシュネーの9人の娘の内のエウテルペーが音楽、テレプシコーラが舞踊を司っているのです。
ということで、今年最後の爆クラは、いつかはやらねば! と思っていた、その仲良し姉妹同士、切っても切れない関係のバレエとクラシック音楽へのアプローチ。「目で観る音楽」とも言えるバレエとその音楽について、をできれば、現役のダンサーと語っていきたいと思っていた矢先に、素晴らしいゲストとをお招きすることになりました。
首藤康之さん。モーリス・べジャールやマシュー・ボーン、シディ・ラルビ・シャンカウイといった名だたる振付家から指名され、古典バレエから、コンテンポラリー作品、様々なジャンルとの才能とコラボレーションした意欲的な舞台を発表している彼は、普段でもクラシック音楽を愛聴するヘビーリスナーでもあり、今回のテーマにはうってつけの方。
写真:操上和美
そもそも、チャイコフスキーによる『白鳥の湖』、『くるみ割り人形』、プロコフィエフの『ロミオとジュリエット』、ショバンのピアノ曲を管弦楽に編曲した『レ・シルフィード』など古典バレエは名曲揃い。音楽とダンサーとのもっと生々しい表現の出会いというならば、エクスタシーのごとくの音響を持つドビュッシーの楽曲に、ニジンスキーが、物議を醸した官能表現を舞台でやってのけた『牧神の午後への前奏曲』などが存在します。ストラヴィンスキーの『春の祭典』は、ベジャールを始めとして、マーサ・グラハム、ピナ・バウシュ、マッツ・エックも手がけ、未だに、多くの振付家を魅了し続ける音楽になっています。
今回は、そういったバレエ、舞踊作品の魅力を堪能するとともに、実際にその音楽を踊った場合、ダンサーは何を感じ、何をよすがに音楽と渡り合っていくのか? ということを解きあかしていきたいと思います。それとともに、逆にこの音楽は実はバレエ、ダンス向きなのではないか? という妄想選曲も!
バレエファンはもちろん、ヒップホップやフィギュアスケートフリーク、「だんすた」ファンも、絶対に知って面白く、ためになる特別な一夜。是非、お運びあれ。
教養としてのクラシックではなく、クラブカルチャーを経た耳を持つ人にこそ体験してほしい、この爆音音浴。生演奏がデフォルトだけれど、録音とオーディオという現代のテクノが入ってこその、音と脳と身体とのセッションを堪能して下さい。
ゲスト
首藤康之
15歳で東京バレエ団に入団。19歳で「眠れる森の美女」の王子役で主役デビュー。その後も古典作品をはじめ、M・ベジャール、J・ノイマイヤー、J・キリアン、M・ボーン等の世界的現代振付家の作品に数多く主演、高く評価される。2004年同バレエ団を退団後も、ダンス「アポクリフ」(S・L・シェルカウイ振付/ベルギー王立モネ劇場世界初演)、「鶴」(W・タケット演出・振付)、「Shakespeare THE SONNETS」他(中村恩恵振付)、ストレートプレイ「SHAKESPEARE’S R&J」(ジョー・カラルコ演出)、「音のいない世界で」(長塚圭史演出)他、その他「空白に落ちた男」他(小野寺修二演出)、「兵士の物語」(串田和美演出)、「出口なし」(白井晃演出)。また、KAATにて自らプロデュースによるシリーズ『DEDICATED』を上演。映画「トーリ」(浅野忠信監督)、「今日と明日の間で」(小林潤子監督)「岸辺の旅」(黒澤清監督)に出演するなど表現の場を拡げている。10年第42回舞踊批評家協会賞を受賞。 第62回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。 http://www.sayatei.com/
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