爆クラ<第1夜>「ショスタコーヴィチ交響曲第10番」ゲスト:武井健


 震災から2ヶ月がたちました。表向きには日常が戻ってきているような気がしますが、事態は全く予断がならず、今回の被災のあまりの大きさと被災者の方々に想いが至ると、常に心の奥底に痛みが走るような毎日ではあります。

 そういえばあの時分では、まったく音楽が耳に入ってきませんでした。自分の好みの定番曲がことごとくカンに障り、日頃慣れ親しんでいる文化の限界を思い知ったものです。しかし、穴から出て、動いてみようという気になったとき、音楽は恐ろしいほどの栄養価で心を満たしていきます。

 震災で中断していた、ひとつの企画を5月18日(水)にやってみようと思います。

 題して「爆音クラシック」。クラシックの名曲たちを、クラブ仕様の豊かな大音量で聞く試みを、新世界(六本木)で20時より、開催することにしました。

 この試み、実は私がクラブにハマっていた、2000年前後に思いついて、ぜひ、一度オーガナイズしてみたいと思っていたもの。当時、モスクワの会員制ラウンジクラブで、半裸の金髪美青年(モスクワ音楽院の生徒のバイトか?)が天井近くの壁に設けられたアップライトピアノで、ラフマニノフを弾いていたのに驚愕 したときに、確かこのアイディアが降りてきた覚えがあります。

 今回、半裸の金髪美青年はセッティングできませんでしたが(将来的にはもちろんあり)、最上のネタとして、全盛期のカラヤン、ベルリンフィル、1981年の演奏にてショスタコーヴィチ「交響曲第10番全楽章」をご用意いたしました。

 どんな曲かというと、youtubeにベルリンフィルのデジタルコンサートホールからのサイモン・ラトル指揮のベルリンフィルでの演奏がUPされていましたので、聴いてみてください。



 ショスタコ上最も完成度が高いといわれる、この曲は迫力と暗黒の複雑系感情作品ですが、個人的には実はこの”暗黒部分”が、震災後、思ったよりもダメージを受けている、心にもの凄く効いたのでした。

 心理学者の書いたモノの本を読むと、暗く落ち込んでいるときには、明るくて、楽しく、光のような音楽は逆効果なのだといいます。この交響曲10番は作曲家が、スターリン時代の圧政と抑圧から解放された自分自身を表現したものといわれていますが、この決して「生やさしくない」エネルギーと音響に自分をゆだねて、また、日常に帰還したときに、何かが変化するかもしれません。

 音楽に実用性を求める聴き方は、私の大嫌いなところではあるのですが、今回だけは、私自身が感じた”効用”も選曲に入れさせていただきました。

 ゲストトークもあります。

 今回は私の尊敬する友人で、中学のクラスメイトの私にショスタコの魅力を散々に説いたエヴァンジェリスタである、武井健氏。現在、電波関連学会・産業界に在籍のこの理数天才は、大学の選択外語でロシア語にハマり、ロシア神秘主義の原著を輪読し、中国語も話す、変わり者ですが、当時の彼の激烈なショスタコトークが忘れられず、思わずお呼びしてしまった次第。

 教養としてのクラシックではなく、ドミューンに親しんだクラブ耳を持つ人にこそ体験してほしい、この爆音音浴。自宅オーディオでは、ジャケとにらめっこしていたものでしたが、ポストクラブ時代の賜として、FUNKY PINK NETのVJをお届けいたします。

 生演奏がデフォルトだけれど、録音とオーディオという現代のテクノが入ってこその、音と脳と身体とのセッションを堪能していただければ幸いです。

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